―新しい夢の続き―

ニクスは読んでいた本からほんの少し顔を上げ、現在彼の部屋で本を読んでいるアンジェリーク様子を伺う。
テーブルを挟んで向こう側に座っている彼女が手に持っているのは、かなり厚手の医学書。
アンジェリークは真剣な眼差しで本の活字を追って、時折テーブルの上に置いたノートにメモを残す。

最近の休日は、大半の時間をこうして過ごしていた。
幼い頃から「人の役に立ちたい」という彼女の夢は、宇宙の調和を保つ女王という、これ以上無い形で叶った。
しかし「立派なお医者様になりたい」という想いも、なお心の奥に生き続けていた。
その気持ちを察したニクスが、アンジェリークの為に地上から最新の専門書を取り寄せると、彼女は満面の笑みで喜んでくれた。
少しばかり寂しい思いをしてもさほど苦にならないのは、彼女と歩み続ける道を選んだ時から、彼が心に抱き続けている夢の為だ。

(ああ、そろそろお茶の時間ですね……)

壁の掛け時計で時間を確認し、ニクスは彼女の邪魔をしないよう静かに立ち上がってお茶の準備を始める。
もうすぐアンジェリークは漂うお茶の香りに気付くだろう。
彼女が根を詰めすぎないよう頃合いを見計らうのは、彼の仕事であり楽しみでもある。
ニクスは小さく微笑んで、丁度良い琥珀色のお茶を温めておいたカップに注ぎいれた。

(夢を追い続ける貴女を隣で守り支えていくのが、今の私の夢……そう言ったら、貴女はどのような反応を返すのでしょうね?)


-Fin-


〜言い訳〜
「ほんのりとした甘さ」を目指してみました!しかし自分では判断できませんので、皆様にお任せします(笑)


2007.10.25 UP

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