―輝きよ永遠なれ―

外界とは異なる緩やかな時間の流れる、アルカディアの天空に浮かぶ楽園――聖地。
アルカディアを日々守り育て、慈しむ女王アンジェリークの住む宮殿の中庭に、一人の男がスコップを持ってしゃがみ込んでいた。
側には沢山の花の種の入った袋や苗が置かれているが、彼の正体は庭師ではなく、女王の側で様々な執務を補佐する立場にある人物だ。

平日は当然ながら多忙を極める彼だが、今日は一週間に一度の休日なので趣味の園芸に勤しんでいた。
作業しやすいようにと貴族としての普段の装いよりは幾分ラフな格好だが、その動作や雰囲気からは確かに洗練された気品が漂っている。

「さて、あとはこちらに苗を植えるだけですね」

満足げに微笑むと、彼は苗を一つ一つ大切に持っては丁寧に植えていく。


朝早くからそうして作業してきたおかげで、中庭に用意された彼専用の花壇には全て新しい苗が植えることが出来た。
中庭全体の景観を損なわないよう、日当たりの具合で色んな花が育てられるようにと、中庭のあちこちに小さな花壇を作っていたのだ。

彼が植えた苗に水をやっていると、聞き慣れた愛らしい声が聞こえた。

「ニクスさん、もうすぐ終わりそうですか?」

おそらく彼を手伝いに来たのだろう。
アルカディアにとっても彼個人にとっても大切な女王陛下は、長く波打つ水色の髪を赤いリボンで一つに束ね、彼らが地上にある陽だまり邸で暮らしていた頃の服装でニクスの側に駆け寄ってきた。

「ええ、日が高くなる前に植え終わって良かったですよ。貴女と昼食する時にこのような格好では、恥ずかしくてご一緒できませんからね」

如雨露を持ったままおどけて笑ってみせると、アンジェリークはつられて笑う。

「ふふ…ニクスさんったら。もうすぐお昼ですから、そろそろ手を休めて下さいね。部屋で昼食の用意をして待ってます」
「これで終わりましたから、お部屋までご一緒しましょう。私はこの一週間というもの、貴女の手料理をずっと心待ちにしていましたし………ね?」
「それじゃあ私、一緒に片付けますね」
「お願いします」

アンジェリークが女王となり、ニクスが彼女を支える補佐の任に就いてからというもの、二人の食事は普段宮殿に仕える使用人たちが作っている。
しかし外界で長い時が経ち、陽だまり邸で暮らしていた頃が懐かしく思えるようになってからは、週に一度の休日だけは自分たちで料理を作るようになった。
今では二人の料理のレパートリーも増え、陽だまり邸で一緒に暮らしていた仲間たちの得意料理さえ網羅している。
ジェイドを除くかつての仲間たちには、もう二度と逢う事が叶わなくなってしまったけれど――

「ニクスさん……私、本当に幸せです」
「私も幸せですよアンジェ………私の可愛い女王陛下」

仲間たちと共に過ごしたかけがえの無い日々は、地上で何百年も経った今もなお、二人の心で美しい輝きを放ち続ける……………


-Fin-


〜後書きという名の言い訳〜
ニクスED2で二人が聖地に行ってから、外界で数百年経過したお話です。やっぱり難産だなぁ……精進シマス(T∇T)
ネオアンで私が一番好きなEDはニクスED2なのですよ〜。うちのサイトのネオアン話は基本的に、ニクスED2ルートで書くようにしてます。連載はどうなる事やら……………(汗)


2007.10.25 UP

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